「うちの子、罪悪感の顔してる?」—科学が明かす犬の表情の真実

犬の罪悪感の表情のように見える、目をそらすプードル

執筆者:

カテゴリ:

「バレたときの顔」、見たことありますか?

犬の罪悪感の表情、実はよく見かけますよね。

留守番中にゴミ箱をあさった形跡。

帰宅すると、愛犬が耳を伏せて、目をそらして、

なんだか気まずそうな顔をしている——。

「ほら、悪いことしたって分かってるんだ」

多くの飼い主さんが、そう感じたことがあるのではないでしょうか。

けれど、この「罪悪感の顔」、

実は科学的に見ると、少し違う話かもしれません。

切なそうな表情で伏せている子犬

その表情、いつ出ている?

ある実験がこんな検証をしました。

飼い主が犬に「留守番中は特定のおやつを食べないでね」と

指示をして外出し、その後の犬の様子を確認する、というものです。

ポイントは、犬が実際に指示を守ったかどうかに関わらず、

飼い主が「食べたでしょう」と犬を叱るような態度を見せたときに、

犬が「罪悪感っぽい表情」を見せたという点です。

つまり、犬が本当におやつを我慢していた場合でも、

飼い主に疑われる態度を取られると、

同じような表情を見せることがあったのです。

じっとこちらを見つめる子犬

罪悪感というより「学習された反応」

これが示しているのは、

その表情が「悪いことをした自覚」から来ているのではなく、

「飼い主の態度や声のトーンに対する反応」として

学習されている可能性がある、ということです。

犬は、人間の表情や声の変化にとても敏感な動物です。

過去に、飼い主が特定の口調や表情を見せたときに

叱られた経験があると、犬はその「前兆」を学習し、

体を低くする、目をそらす、耳を伏せるといった

なだめのサイン(カーミングシグナル)を見せるようになります。

これは「罪悪感」という複雑な内省的感情というよりも、

「相手の機嫌が悪そうだ、なんとかこの場をやり過ごしたい」

という、犬なりのコミュニケーション行動だと考えられています。

まっすぐこちらを見つめる白い子犬

なぜ、この違いを知ることが大切なのか

「うちの子は罪悪感を感じているから、また同じことをしないだろう」

——そう考えて、事後に叱る対応を続けてしまうと、

実は根本的な解決にはつながりにくいことがあります。

なぜなら、犬にとって「なぜ叱られているのか」を

時間差で理解することは、とても難しいからです。

犬が学習するのは、

「ゴミ箱をあさってはいけない」ということではなく、

「飼い主が帰ってきて、部屋が荒れていると、

なんだか機嫌が悪くなる」という表面的な関連づけだけ、

というケースが少なくありません。

じゃあ、どうすればいいのか

行動そのものを変えたいなら、

「その行動が起きる前」にアプローチすることが近道です。

・ゴミ箱を、犬が届かない場所に置く

・留守番中、犬が退屈しないようなおもちゃを用意する

・そもそも「あさりたくなる」環境を作らない

叱ることに時間を使うよりも、

「そもそも問題が起きない環境」を整えることの方が、

結果的に犬にとっても飼い主さんにとっても、

ずっとストレスの少ない解決策になります。

飼い主に寄り添う犬

犬の「表情」は、雄弁なサイン

今回ご紹介した研究が教えてくれるのは、

犬の表情や仕草は、人間が思っている以上に、

「その場の相手の反応を読み取った結果」だということです。

「罪悪感がある=分かっているはず」と決めつけず、

その表情の裏にある「犬なりのコミュニケーション」を

理解しようとする視点を持つことが、

より良い関係づくりの第一歩になります。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です